「メンタルスタック」という言葉はご存じでしょうか?
私もとある記事を見るまでは、その言葉は知りませんでした。
この言葉は格闘ゲームで使われる用語のようで、ゲームの特徴である「瞬時に相手の攻撃を予測する」や「相手の行動から次の手を判断する」といった重要なものに焦点を当て情報を整理する能力のことを指しているようです。
常に考え、判断し続けると大切な時の行動や計画を実行するのが難しくなってしまいます。そのため、一定の行動を直感的に操作できるようにし、行動を簡素化することで「最も大切なタイミング」での判断力を強化するための手法のようなもの。のようです。
eスポーツとして取り上げられている「ストリートファイター」や誰もが知っているはずの「大乱闘スマッシュブラザーズ」など格闘ゲームは様々な場所で遊ばれています。
そのようなゲームで「強い」とされる方々は、この「メンタルスタック」をうまく活用されているのだと考えれますね。
「メンタルスタック」はどのように使われてるの?
アメリカの格闘ゲームプレーヤーであるジャスティン・ウォン選手がFightRiseのサイト内で答えられているインタビューでは、このメンタルスタックを意識し、強くなるためのハウツーを共有されていました。
Justin Wong Explains “How to Get Better at Fighting Games” – Part 1: Execution(「格闘ゲームで上手くなる方法」を解説 )
その中で説明されていたのが、
・適切なタイミングで適切なボタンを押すこと
最小限の動作で適切な攻撃を行うことを指しているようです。
・考えられた手で操作を行っているか
何も考えずにコンボを組み合わせるのではなく、適切なタイミング、状況認識を行い操作することを指しているようです。
このような行動を取捨選択する。行動を直感的にするなどといった行動は安易にできるようなものではありません。格闘ゲームである場所で、「勝つために身に着けた技術」として、瞬発的な選択肢から最適解を選ぶ精神力が身につくのだと思います。
もちろん、そのためにはゲームについて、キャラクターについて知る必要がありますし、相手キャラクターが繰り出してくる技や行動を覚える必要もあります。こういった能力も含めて、格闘ゲームのうまい選手たちの特殊能力と言っていいのではないかと感じます。
ゲームで判断力は養われるのか?
シューティングゲームなどの様々な武器を使い分ける、アイテムの収集・精査する、敵を探す・倒すといった常に画面が切り替わりが激しいといった展開の早いゲームでは人の判断力を高めるトレーニング効果があるとロチェスター大学のDaphne Bavelier教授による研究で発表されています。
普段ゲームをしない20代の若者を2つのグループに分け、片方のグループには展開が早いシューティングゲームを、もう片方には展開の遅いシミュレーションゲームを2か月間にトレーニングとしてプレイしてもらい、期間終了後に判断力を測るテストのようなものを行ってもらう内容となっておりました。
その結果としては、展開の早いシューティングゲームで注意力、知覚力、認知力などで高い結果が出ており、正確な判断を行う回数が増えた形となったようです。
Playing action video games can boost learning(アクションビデオゲームをプレイすると学習が促進される)
冒頭に記載したメンタルスタックで重要視されている通り、瞬間的に目の前に現れた敵に自分の持つ複数の銃から場面の状況にあったものを選び、敵に焦点を当てボタンを押すといった、数秒間の間に先的な判断を行わなければ勝つことのできない環境。
広大なマップを覚え、敵が行うであるだろう行動を覚え、現在の状況から判断しどのようなことが必要なのかを行動予測し取捨選択していくといったことが判断力をあげることに繋がっているのだと考えられます。
ただ実験では週5日2時間のプレイで行われたことであり、たくさんやって効果があると言われているわけではありません。どのようなことも適切な量が必要であるということですね。
格闘ゲームやシューティングゲームといったものは、ゲームのプレイ性質上激しい言動が目立ちどうしても学習や学びから離れがちのものですが、外でドッチボールしている子たちも同じような言動しているのでゲームは室内でやっている分、近くに見えるから協調されて見える。と個人的には感じている部分もあります。
ゲームプレイスタイルの「キラータイプ」は、こういった勝負毎での負けず嫌いの精神や勝つための粘り強さ、集中力が他のタイプよりも秀でているかもしれません。
このような精神的な耐性に強く、取捨選択できる能力は仕事や私生活でも落ち着いて対処できることに繋がり、ただ無感情ではなく「くやしい」「負けたくない」などの勝ち負けに対する感情の高ぶりがやる気や行動力となるのは得意分野と言えると考えられます。
こういった強みが自分の中に隠れていると考え、様々なことに役立てることはできるはずです!