ゲームで見つける強いチームワークのコツ
パソコンでシューティングゲームを遊んでいるとゲーム内で特有の掛け声が聞こえてきます。Eスポーツとして大会も開かれるバトルロワイアル形式のシューティングゲーム「フォートナイト」では、バトルロワイアルで勝ち抜き1位を獲得すると「ビクロイ」と呼んだり、PlayerUnknown’s Battlegrounds(PUBG)では「ドン勝」と呼ばれたりします。
勝ち残った際に画面上に表示されるメッセージが由来でプレーヤー達が「今日もビクロイ取るぞ!」のような形で1位を取る事のニュアンスとして使われています。
このような共通言語はシューティングゲームやMMORPGなどの複数の人が関わるゲームでよく使われ、プレーヤー間の「共通目標」「共通言語」として活用されています。
同じ言葉を使っていても、人によっては捉え方が異なり、思ったのと違う行動をしてしまい、チーム間の摩擦やコミュニケーションを円滑にするためにプレーヤー同士が自然に生み出しているものです。
それらがインターネット・スマートフォンの普及によりゲームという「共通目標」に対し、「共通言語」を使って同じ認識を揃えやすい環境が整っています。
攻めと守りの駆け引きで声掛けは大切だよね~!
掛け声でのチームが一体になる感じは好きだな~
様々な人が集うオンラインゲームだからこそ、チームとして関わる必要のある環境が整っており、その中で共通目標や共通言語といった要素は目標を達成するためのチーム作りに重要でプレーヤー自身が試行錯誤した結果、遊びの中でも活用されているのが様々な環境からみて取れると考えられます。
「共通」がある環境がなぜ強いチームが生まれる?
2021年に行われた、マイナビニュースフォーラム「働き方改革Day 2021 Feb. ニューノーマルのマネジメント、変化を生き抜く個人と組織のあり方」 にて、サイバーエージェント 常務執行役員CHO曽山哲人さんによるディスカッションの内容で「成果を出し続けるチームが持っている共通項目」についてお話されていました。
「共通目標」「共通言語」「共通感情」の3つが成果を出し続けるチームが持っているものとして挙げられており、もっとも重要視されるのが「共通目標」との事でした。
サイバーエージェントCHO曽山氏が語る、強いチームに必要な3つの要素
その中で個人の目標は各々で達成するために努力を出来るが、組織目標とすり合わせが出来ておらず、個人目標のみ達成しモチベーション維持が難しくなったりすることから、個人と組織の目標をつなげる事で良いチームの動きが出来ると話されていました。チームメンバーで組織目標、個人目標を話し合い決定し、何かしらの見える形に起こし行動することで自分ごととして捉えられるようになるとお話されていました。
自分はこれだけやったのに~となったりするもんね。
いろんな人が異なる目的で働いているから目標を揃えるだけでも大変だよね。
でも、ゲームも色んな人が違う目的で遊んでいるから環境的には一緒かもよ?
あっ!たしかに!ライトユーザーという言葉があるぐらいだもんね!
ゲーム環境のチームから見る「共通言語」の必要性
成果を出し続けるチームが持っているものの3つのうちの一つ「共通言語」。先ほどの「共通目標」同様に、チームや組織力を高めるために重要視されている項目のひとつと言われています。コミュニケーションを行ううえで、認識違いは必ず起きる問題ですよね。
仕事や家族間でもどのような場面でも起こりえます。その認識の違いを無くすためにも「共通言語」が必要とされ、同じ認識で行動を行う事でチーム間の摩擦を減らす事や同じ価値観を共有できるといったメリットがあるとされています。
その「共通言語」はシューティングゲームでは日常的に行われており、冒頭でお伝えしたフォートナイトの「ビクロイ」やPUBGの「ドン勝」の他にもゲーム事に共通言語が決まっており、攻め、守りの駆け引きの時に使われる用語や特定の条件下で使われる用語などさまざまありました。
youtubeライブで子供たちが遊んでいるのを見ていると共通言語が飛び交っており、チームで掛け声を出し合い良い環境が出来上がっているのを見かけたりもします。
お笑い芸人の小藪千豊は親子で「フォートナイト」をプレイされており、はじめは息子がゲーム内のアイテム名などちんぷんかんぷんで何を言っているのかわからなかったけど、一緒にプレイするようになってから会話が増え、コミュニケーションが良くなったとインタビューに答えられている部分もありました。
シューティングゲームの特性上、勝ち負けがその場で決まり、プレーヤーの操作が命取りになる環境で言い方が強く激しくなるのはゲーム性上、仕方ない部分があります。それでも共通言語があるおかげで直接的な”罵倒”や”批判”ではなく、共通言語により表現がやわらげられたり、「ビクロイ取るぞー!」の共通目標を言葉で発し、それをチームで叶えた時の一体感を体現する事でより一層、チームの結束力が高まるのかもしれません。
学校の部活でテニスやってた時の団体戦を思い出すなぁ…
RPGのようにタスクをこなしたら目標が達成されるとはまた違った達成感だよね。
キラーの人が合ってそうに見えるけど、チーム戦となるとソーシャライザーやエクスプローラーの人が得意とする環境になるのかもね!
キラー、ソーシャライザーって何?
そうだよね!全部自分がやるぜえええ!というわけにもいかないもんねぇ
『強いチーム』にいる環境というのが日常的にかけ離れていると感じるかもしれません。ですが、「共通認識」「共通言語」などの強いチームに必要とされる要素は、遊びの中であるゲームでも日常的に仕組みとして使われているものでありハードルとしてはそこまで高くはありません。
シューティングゲームで、このような良い環境が出来上がるのはゲームの性質として目標が明確であること、プレイによる行動が明確である事が共通言語、共通認識を使う上でよい環境となっていると感じます。
遊びの中から見つける「共通」は、シューティングゲームだけではなくMMORPGなどの様々な人がかかわるゲームでも同様のことが言えます。この遊びから見つける環境を知り、うまく仕事で、日常で活用されてみてはいかがでしょうか?